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キャンプ関連の動画に交じって、「財務省解体」をキーワードとした動画が表示された=2025年7月8日、友永翔大撮影

 SNSや動画サイトなど、「ソーシャルメディア」を見ていると、気づかぬうちに似たようなジャンルの投稿や動画ばかりが表示されていることがある。「レコメンド(おすすめ)」という機能によるものだ。

 レコメンドは、見る人ごとに情報を「カスタマイズ」してくれて便利な半面、人々の思考を偏らせ、社会が分断に向かったり選挙結果に影響したりしてしまう危険性も指摘されている。実際に、スマートフォンがどのように「染められる」のか、記者が実験してみた。

「キャンプ」→「財務省解体デモ」

 ソーシャルメディアに詳しい兵庫県立大の土方嘉徳(ひじかたよしのり)教授の監修のもと、30~40代の記者5人が参加した。総務省の調査で、10~40代の9割以上が使用しているとされたユーチューブを使い、比較対象として、グーグルの検索エンジンも使った。

 まず5人は、アンドロイドのスマホでグーグルアカウントを新たに作った。検索や閲覧履歴が「まっさら」な状態から、レコメンドの影響を見るためだ。

 10日間決まった手順で、3人がユーチューブの視聴を、2人はグーグル検索をした。

 ユーチューブの3人は5日間、自らの趣味である「キャンプ」「編み物」「釣り」を検索し、一番上に表示された動画を5分見た。その後、「おすすめ」された中で一番上の動画を5分視聴。さらに、その動画のおすすめ動画の一番上を5分見るという流れで、計3本を見た。ただし、5分以上の動画は5分で中断した。

 また、ユーチューブのホーム画面に表示される動画の上位10本を毎朝記録した。

 6日目、検索語をキャンプから「財務省解体」、編み物から「ディープステート(影の政府)」に変更し、前日までと同じ流れで3本視聴した。「釣り」だけは検索語を変えずに続けた。

トップ画面が一変

 キャンプ動画を視聴していた…

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